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2010年12月28日 (火)

083 やるか、やらないか

森博嗣という、主にミステリー小説を執筆している作家がこんなことを言っている。(※1)
「小説家になりたい」と願っている人がいるとしたら、その人はすでに小説家になっていると考えてもよい、と。

なぜなら、「小説家になりたい」と思っているのなら、すでに自分で何らかの小説は書いているはずだからである。「書く」という行為は、他人の協力もいらないし、準備も訓練も必要はない。書けばいいだけだ。

それなのに、「小説家になりたい」と思っているのに、まだ小説を書いてない人に森さんはこう言う。

そういう人は、たぶん「小説家気分」や「小説家気取り」をしたいだけで、小説家になりたいのではない。別の仕事をして、読者として小説を楽しむことをおすすめする。(※2)

そうだよなあ。私も君たちも、何か夢があったとする。それに向けての行動を、今何かしているだろうか。やるか、やらないか、である。

今年の文化祭のテーマが「夢」だったので、君たち一人ひとりの夢が書かれた掲示物があった。

たとえば、「サッカーのプロ選手になる」という夢も複数あった。

私たちの中学校出身のY選手。Jリーグでも活躍し、U20の日本代表として活躍した。彼が中学校一年生の時に、クラス副担任をしていた先生からこんなことを聞いた。

当時からサッカーがうまかったので、その先生はこう聞いたそうである。

「Y君はリフティング、何回ぐらい連続でできるの?」

中学校一年生のY君は、「そんなにできないですよ」と謙遜しながら、こう答えた。

「頭も使っていいんですか?だったら3000回くらいかなあ」

さて、サッカーのプロ選手になりたい諸君。Y選手は中一の時は、3000回できたそうだ。さあどうする?リフティングの練習は、どこでも一人でもできるぞ(サッカーの練習はそれだけではないと思うけど)。

何もしなければ、さっき紹介した森さんがこういうかもしれない。

そういう人は、たぶん「サッカー選手気分」や「サッカー選手気取り」をしたいだけで、サッカー選手になりたいのではない。別の仕事をして、観戦者としてサッカーを楽しむことをおすすめする、と。
――――――――――――――――――――
(※1)『小説家という職業』集英社新書
(※2)同書p.190

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コメント

まだ「プロ野球の選手になる」と書いてた中1の息子にこれ読ませます。

ありがとうございます。実はですね、僕も中一の息子がいるのですが、僕は自分の書いた「学級通信」をまだ見せたことがないんです。なんか、照れくさいというか、不思議な気持ちです。毎日書いたこの文章を「今日のはどう?」と気軽に見せられるといいのですが。

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