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2010年11月30日 (火)

055 池間哲郎さんが私たちに一番望むこと

池間哲郎さんという人がいる。

これまで、ずっとアジアの国々の子ども達のために井戸を掘ったり、学校を建てたりしてきた。

その池間さんが数年前に私が勤めている中学校に講演に来てくださった。

ビデオ会社を経営されているということで、大きなスクリーンに映し出される映像の前に立ち、池間さんは語り出したのだが、その映像に映し出された光景と、子どもたちの姿に圧倒された。

フィリピンの首都マニラ。その中にある広大なゴミ捨て場。その中に、大勢の人たちが暮らしている。3万人いたこともあるという。なぜそこに暮らしているのかというと、そのゴミ捨て場の中から、少しでもお金になりそうなものを掘り出すのだ。スクリーンには煙がたちこめ、悪臭がスクリーンを通してこちらにやってきそうである。

ダンプカーがゴミを運んでくる。そして、ザザーっとゴミを捨てる。すると、子どもたちが駆け寄ってきて、ゴミの中からビンなどを拾い集める。スクラップ業者に売るのだ。一日必死に探して、売って、数十円にしかならないそうだ。

中にはまだ小学校にも行かない年齢の子もいる。環境は劣悪。食べ物がないだけではない。靴も買えないので裸足で歩く。当然ガラスの破片などでケガをする。傷口からばい菌が入り、破傷風などの病気にかかる。大人になれないまま死んでしまうことが普通にあるそうだ。

事実、池間さんが仲良くなった小さな少年。写真を見れば、6歳ぐらいだろうか。翌年、池間さんがマニラを訪れたときには、もうこの子の姿はなかったそうである。

池間さんのお話は、まだまだ続いた。女の子に生まれたために身売りされるタイの少女。空腹をまぎらわせるためにシンナーを吸う少年。厳寒のモンゴルでは、親に捨てられマンホールで暮らす子どもたち・・・。

知らなかった事実に圧倒され続けた。

池間さんは講演会の最後の方で、聞いてる中学生に向かってこんなことを言われた。

「今から、お話を聞いてくれた君たちに一番伝えたいことを言います。」

私は、その瞬間、こう考えた。

もう少し、アジアの子供たちの置かれている現状をよく知り、自分たちに何ができるのかを考えてみよう、と言われるのかな、と。

それは違った。

池間さんはこう語った。

「まず、自分たちが一生懸命に生きることです。」

池間さんは著書の中でこう語っている。

子どもたちの話をして、映像を見せて、かわいそうだから助けてちょうだいと言っているのではないのです。誤解しないでください。(中略)一番大事なボランティアは自分自身が一生懸命に生きることなのです。一生懸命生きる人じゃないと、人の痛みや悲しさは伝わってこないと思うのです。誰かのため、人のためではなく、自分自身が懸命に生きる。それが私たちにできる一番大事なボランティアなのです。(『あなたの夢はなんですか 私の夢は大人になるまで生きることです』 池間哲郎 至知出版社 p.171-172)

今の私は一生懸命に生きているだろうか・・・。

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