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2010年10月16日 (土)

008 ゆでガエル

まず、ビーカーの水をアルコールランプで熱して沸騰させる。そのビーカーの熱湯の中にカエルを一匹投げ込む。すると、カエルは熱湯の熱さに驚いて、そのビーカーの中から飛び出す。

次に、今度は冷たい水が入ったビーカーを用意する。その中にカエルを入れる。当然のことながら、前のときと違って水であるから、カエルはビーカーの中で泳いでいる。

そのビーカーをアルコールランプでじわじわと熱してみる。
すると、そのカエルはだんだん熱くなっていくそのビーカーの中でやがて死んでしまうそうだ。この話は作り話だろうが、妙に納得させられる話である。

このことは、私たちの生活にも当てはまることである。

ここで、中学生の段階でもうタバコがやめられなくなったA君のことを考えてみよう。

A君は最初はタバコはとても恐ろしいと思っていた。学校でもタバコの害のビデオを見せられたし、そのときの、肺がんで死んだ人の真っ黒な肺の写真を見て、ショックを受けたこともある。

ところが、そのA君にも転機が訪れた。2年生のある日、友達や先輩たちと遊んでいるときのことである。先輩の一人がポケットからタバコを取り出して吸い始めた。そして、「お前らも吸うか?」とA君たちの前に差し出す。

A君はためらっていたが、A君の友達が手を伸ばして、そのタバコをもらったのにびっくりした。A君は自分だけ吸わないことに心細さを感じ、強がって、とうとう一本もらって、火をつけてしまった。

最初のタバコは実にまずかった。むせた。もう2度とすいたくないと思った。こんなものを吸っている大人は馬鹿だと思った。そして、家に帰るのが少々不安になった。ばれやしないか。においで母親にばれないだろうか。A君は友達と別れる時、「オレ、くさくない?」と尋ねたし、それでも心配で、わざわざ缶コーヒーを自動販売機で買って飲んで口のにおいを消そうとした。

心配は無用だった。家族の中で今日のタバコのことに気がついた者はなかった。

A君は、またその先輩たちと遊ぶたびにタバコをもらうようになった。なんかしら、全然うまくないと思っていたタバコがすこしずつ抵抗感がなくなっていく。先輩が「食後のいっぷくがええんじゃ」というと、少しずつそういう気になっていくのが不思議だった。何本も吸って、そのまま帰っても、家でばれることはなかった。

A君は、普段の生活でも、先輩たちがいなくても、「タバコがほしい」と思うようになってきた。そして、ある日、初めてタバコの自動販売機で自分のタバコを買ってしまった。

吸うのは夜の両親が寝てからのことであったが、そのうち、学校にもタバコを持っていくようになってきた。そして・・・・。

さて、今、君たちの前にシンナーを出して吸えといっても吸う人はいない。さっきの実験の話でいうと、熱湯の中から飛び出したカエルである。

しかし、服装などの学校のきまりを軽視するようになり、学校でアメ、ガムを食べるようになる。すると確実にタバコに近づいている。そのうち、親の言うことは聞かなくなる、服装は乱れ、いろいろと口実をつけて外泊するようになる。そうなるとシンナーに対するハードルが低くなっている。さっきの実験では、徐々に熱されて死んでしまうカエルである。もしかしたら、出されたシンナーを・・・。

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